最近では、COVID-19の感染者数が増加しており、感染拡大防止のために検査が重要視されています。
しかしながら、病院や保健所での検査は待ち時間が長かったり、行くのが不安だったりする人もいるかもしれません。
そんな中、自宅で簡単にCOVID-19の抗原検査ができるキットが販売されています。
しかしながら、検査キットには「抗原検査用」「抗体検査用」と用途が異なっていたり、
また、「抗原検査キット」でも「研究用」と「医療用」に分かれていたり、
さらに、研究用抗原検査キットにはいくつもの種類が販売されていたりと、どれを選んでいいのか迷う人も多いでしょう。
そこで、今回は、「抗原検査」「抗体検査」「PCR検査」の違いをわかりやすいように説明するとともに、
「研究用」抗原検査キットと「医療用」抗原検査キットの違いについても説明します。
そして、その上で、「研究用」抗原検査キットの選ぶべきポイントと、代表的な抗原検査キットを紹介していきたいと思います。
本記事を読めば、あなたに合った抗原検査キットを見つけることができるでしょう。
ポイント
本記事の構成
1.抗原検査・抗体検査・PCR検査の違いとは?
2.研究用抗原検査キットと医療用抗原検査キットの違いとは?
3.研究用抗原検査キットの選ぶべきポイントとは?
4.研究用抗原検査キットのおすすめは?
まとめ
1.抗原検査・抗体検査・PCR検査の違いとは?
まず、ここで、抗原検査・PCR検査と、抗体検査は、それぞれ検査の目的が大きく異なることに注意してください。
それぞれの検査の目的は以下のとおりです。
注意ポイント(検査の目的・検査でわかること)
- 抗原検査・PCR検査 ➤ 現在感染しているかどうかがわかる。
- 抗体検査 ➤ 過去に感染しているかどうかがわかる
参考文献1:厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症に関する検査について」
参考文献2:富士フィルムHP「知っておきたい 医療のはなし」
つまり、今あなたが新型コロナウイルスに感染しているかどうかを確認したい場合には、抗原検査がPCR検査を選択すべきであり、抗体検査ではその役割は足すことができないことに注意してください。
ここで、抗原検査には、さらに抗原定性検査と抗原定量検査の2種類がありますので、それぞれについてもまとめています。
抗原定性検査 | 抗原定量検査 | PCR検査 | |
検査の対象 | ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)の有無 | ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)の量 | ウイルスを特徴づける遺伝子配列の有無 |
検査の方法 |
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検査の判定時間 | 早め(約30分) | やや早め(約30分+検査機関への搬送時間) | 遅め(数時間+検査機関への搬送時間) |
検査の精度 | やや劣る(検出には、一定以上のウイルス量が必要) | やや劣る | 高い |
検査の場所 |
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医療機関・検査機関を利用する必要がある | 医療機関・検査機関を利用する必要がある |
参考文献1:厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症に関する検査について」
参考文献2:富士フィルムHP「知っておきたい 医療のはなし」
以上のとおり、抗原定性検査・抗原定量検査・PCR検査のそれぞれの特徴の大きな違いとしては、
検査の精度と検査の判定時間・場所です。
あなたが、手軽に早く新型コロナウイルスに感染しているかどうかを確認したい場合には、抗原定性検査を利用すればよく、
より慎重かつ確実に新型コロナウイルスに感染しているかどうかを確認したい場合には、PCR検査を利用すればよいということがわかります。
ここでは、自分で検査でき、かつ早く検査の判定時間がわかる抗原定性検査についてさらに深堀して解説していきます。
※以下では、抗原定性検査を「抗原検査」として解説していきます。
抗原検査キットには「研究用」と「医療用」の2種類あって、それぞれ大きく異なることに注意してください。
以下では、「研究用」と「医療用」の違いを解説していきます。
2.研究用抗原検査キットと医療用抗原検査キットの違いとは?
「医療用」と「研究用」の抗原検査キットの大きな違いは、国(厚生労働省)の承認を受けているか受けていないかです。
つまり、「医療用」の抗原検査キットは、国(厚生労働省)の承認を受けたものであり、
「研究用」の抗原検査キットは、国(厚生労働省)の承認を受けたものではないことに注意してください。
どの抗原検査キットが、「医療用」で、どの抗原検査キットが、「研究用」なのか見分ける方法を教えてほしい。
商品の表のパッケージには、「医療用」であれば、「対外診断用医薬品」または「第1類医薬品」と表示されています。
一方、「研究用」であれば、「研究用」と表示されています。
このため、まずは商品の表のパッケージを確認して、誤って買わないように気をつけましょう。
参考:厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報」
だったら、国から承認されている医療用の抗原検査キットを選んだ方がいいってことなの?
確かに厚生労働省は、医療用の抗原検査キットを選ぶことをすすめています。
しかしながら、医療用の抗原検査キットの入手方法は主に薬局であり、たとえば薬剤師さんの説明を受けてから入手する必要があるなど、入手に時間がかかりやすいです。
このため、お手軽に自分で早く新型コロナウイルスに感染しているかどうか確認したい人にとっては、デメリットの部分も大きいです。
一方で、研究用の抗原検査キットは、ドラッグストアやインターネットの通販サイトなどでも入手でき、自分で簡単に判定方法がわかるというメリットがあります。
もしあなたが、たとえば、体温を測ったら37℃以上であり、「ひょっとしてもしかすると…」と不安に思ったときなど、
研究用の抗原検査キットだったら、比較的入手もしやすく、現状をすぐに確認しやすいので、
あらかじめストックしておくのもおすすめです。
ただし、医療用の抗原検査キットは現在(令和5年2月27日)15種類のようですが(参考:厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報」)、研究用の抗原検査キットはそれ以上にたくさんの種類があります。
そのため、どれを選ぶべきか迷ってしまいがちです。
そこで、以下では研究用抗原検査キットの選ぶべきポイントについて解説していきます。
3.研究用抗原検査キットの選ぶべきポイントとは?
研究用抗原検査キットを選ぶポイントって価格の安さ以外にあるのかな…
もちろん、価格の安さも重要ですが、以下の点もしっかりと検討しておくことをおすすめします。
- 検査の方法の説明がわかりやすいか
- 検査の判定時間はどれくらいか
- 対応する変異株の種類が明確であるか
- 使用者の口コミの評価が高いかどうか
検査の方法の説明がわかりやすいか
研究用の抗原検査キットを利用する方は、今回がはじめて利用することが多いと思います。
そのため、抗原検査キットの使い方が難しく感じる方も多く、誤った方法で検査をして失敗するというリスクもあります。
そこで、検査の方法がわかりやすい説明書があるかどうかを確認することをおすすめします。
説明書はたとえば、カラーのイラストつきのものがあればわかりやすく、おすすめです。
検査の判定時間はどれくらいか
研究用の抗原検査キットの特徴として判定時間が短いというものがあります。
通常、上述したとおり、判定時間はおおよそ30分ですが、それ以上に早く、たとえば15分で判定がわかるものもあります。
早く判定結果を知りたい方にとっては、判定時間も重要なポイントですので、判定時間はどのくらいであるのかもしっかりと調べておきましょう。
対応する変異株の種類が明確であるか
変異株の「変異」とは、生物やウイルスの遺伝子情報が変化することです。
ウイルスは、流行していく中で少しずつ変異をおこしていきます。
この変異したウイルスが変異株です。
そして、新型コロナウイルスについても、約2週間に1カ所程度の速度で変異していると考えられます。
(参考:厚生労働省HP「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」
このため、
対応する変異株の種類が明確であり、その種類の数が多ければ多いほど、
抗原検査キットの精度は高い
ということになります。
ただし、抗原検査キットの中には、「変異株対応」としか記載されておらず、
具体的にどういう種類の変異株に対応するのか不明である場合があります。
このため、どういう種類の変異株に対応しているのか、しっかりと確認する事も選ぶポイントして重要です。
使用者の口コミの評価が高いかどうか
上述のとおり、研究用抗原検査キットは国から承認されていないという点でデメリットがあります。
そこで、使用者の口コミの評価は重要になります。
口コミの評価は、Amazonなどのインターネットサイトや販売サイトから確認できます。
4.研究用抗原検査キットのおすすめは?
研究用抗原検査キットは以下のとおりです。
商品名 | 1回分の価格※1 | 説明書のわかりやすさ | 判定時間 | 変異株の対応 | その他 |
Acon Biotech Flowflex抗原検査キット |
¥380 | 〇写真つきでわかりやすい | 〇約15分 | 〇 | ・WHOに認定 ・CEを取得 |
VERU-Q ベリキュー新型コロナ抗原検査キット |
¥1,062 | 〇写真つきでわかりやすい | 〇約20分 (最終結果) |
〇 | - |
Bio Teke COVID-19 新型コロナ抗原検査キット |
¥424~¥449 | 〇イラストつきでわかりやすい | 〇約15分 | 〇 | - |
AKIRARI 抗原検査キット |
¥1,080 | 〇イラストつきでわかりやすい | 〇約15分 | 〇 | 抗体検査も対応 |
Check Station 新型コロナウイルス 抗原検査キット |
¥1,320 | 〇イラストつきでわかりやすい | 〇約15分 | 〇 | - |
※1 価格は2023年2月28日現在のAmazonの価格を参考にしています。品不足などにより価格が変動することがありますのでその点をご承知おきください。
FLOWflex抗原検査キット
FLOWflex抗原検査キットは、唾液・鼻喉頭のいずれでも検体として使用できる人気の研究用抗原検査キットです。
価格は1個あたり380円~と安価な価格です。
検査キットの使い方の説明は写真つきで紹介されており、初めての方でもわかりやすい説明書といえるでしょう。
判定時間は、唾液を検体とする場合は、約30分、鼻喉頭を検体とする場合は約15分と短い時間で判定できます。
さらに、変異株については、デルタ・オミクロン・BA.2について臨床実験レポートのエビデンスがあるとされており、多くの種類の変異株に対応しているといえるでしょう。
また、Flowflex抗原検査キットのその他の特徴としては、
世界保健機関(WHO)の緊急使用リストに認定されていること(参考:https://extranet.who.int/pqweb/sites/default/files/documents/220408_EUL_SARS-CoV-2_product_list.pdf)
EU(欧州連合)加盟国の安全性能基準(CE)に認証・取得していること(参考:https://sce.tuv-sud.com/sce?id=8KZGG)
などがあげられ、世界各国からも認定されているものです。
Flowflex抗原検査キットはAmazonなどでも購入できますが、もし大量に購入を検討するのであれば、
1個当たりの費用がより安めのサイト(D-next)で購入することもおすすめです。
ベリキュー新型コロナ抗原検査キット
ベリキュー新型コロナ抗原検査キットは、鼻喉頭のみの検体として使用できる人気の研究用抗原検査キットです。
ただし、価格は1個あたり1,062円~と比較的高めです。
検査キットの使い方の説明は写真とイラストつきで丁寧に紹介されており、初めての方でもわかりやすい説明書といえるでしょう。
判定時間は、鼻喉頭を検体とする場合は5~20分で判定されるようですが、最終結果の確認は約20分とあります。
さらに、変異株については、BA.5、ケンタウロス、オミクロンなどの各種変異株対応とあり、多くの種類の変異株に対応しているといえるでしょう。
ベリキュー新型コロナ抗原検査キットはAmazonなどでも購入できます。
BioTeke 新型コロナウイルス抗原検査キット
「BioTeke 新型コロナウイルス抗原検査キット」は、唾液・鼻喉頭のいずれでも検体として使用できる人気の研究用抗原検査キットです。
ただし、唾液のタイプと、鼻喉頭のタイプはそれぞれ別売りとなっているので注意してください。
価格は1個あたり¥424~¥449 と安価な価格です。
検査キットの使い方の説明は写真つきで紹介されており、初めての方でもわかりやすい説明書といえるでしょう。
判定時間は、唾液を検体とする場合、鼻喉頭を検体とする場合、いずれも約15分と短い時間で判定できます。
さらに、変異株については、最新XE系統、BQ.1.1、BA.5、ケンタウロスなどの各種変異株対応とあり、、多くの種類の変異株に対応しているといえるでしょう。
「BioTeke 新型コロナウイルス抗原検査キット」の鼻喉頭タイプのものはAmazonなどでも購入できます。
AKIRARI 抗原検査キット
「AKIRARI 抗原検査キット」は、唾液を検体として使用できる人気の研究用抗原検査キットです。
こちらは、さらに抗体検査にも対応していますが、鼻喉頭を検体として使用できるものではないことに注意してください。
価格は1回分あたり¥1,080 と比較的高めです。
検査キットの使い方の説明は写真つきで紹介されており、初めての方でもわかりやすい説明書といえるでしょう。
判定時間は、約15分と短い時間で判定できます。
さらに、変異株については、BA.2、BA.5、オミクロンなどの各種変異株対応とあり、、多くの種類の変異株に対応しているといえるでしょう。
「AKIRARI 抗原検査キット」は、Amazonなどで購入できます。
Check Station 新型コロナウイルス 抗原検査キット
「Check Station 新型コロナウイルス 抗原検査キット」は、唾液を検体として使用できる人気の研究用抗原検査キットです。
こちらは、鼻喉頭を検体として使用できるものではないことに注意してください。
価格は1回分あたり¥1,320 と比較的高めです。
検査キットの使い方の説明は写真つきで紹介されており、初めての方でもわかりやすい説明書といえるでしょう。
判定時間は、約15分と短い時間で判定できます。
さらに、変異株については、BA.5、オミクロンなどの各種変異株対応とあり、、多くの種類の変異株に対応しているといえるでしょう。
「Check Station 新型コロナウイルス 抗原検査キット」は、Amazonなどで購入できます。
5.研究用抗原検査キットのまとめ
以上、研究用抗原検査キットの代表的なものを5つ紹介しました。
毎日定期的にチェックしたい場合は、1回分だけでは不十分であり、大量にストックする必要があり、価格や説明のわかりやすさなどからバランスがとれたものを選ぶことがおすすめです。
ぜひ参考にしてみてください。
商品名 | 1回分の価格※1 | 説明書のわかりやすさ | 判定時間 | 変異株の対応 | その他 |
Acon Biotech Flowflex抗原検査キット |
¥380 | 〇写真つきでわかりやすい | 〇約15分 | 〇 | ・WHOに認定 ・CEを取得 |
VERU-Q ベリキュー新型コロナ抗原検査キット |
¥1,062 | 〇写真つきでわかりやすい | 〇約20分 (最終結果) |
〇 | - |
Bio Teke COVID-19 新型コロナ抗原検査キット |
¥424~¥449 | 〇イラストつきでわかりやすい | 〇約15分 | 〇 | - |
AKIRARI 抗原検査キット |
¥1,080 | 〇イラストつきでわかりやすい | 〇約15分 | 〇 | 抗体検査も対応 |
Check Station 新型コロナウイルス 抗原検査キット |
¥1,320 | 〇イラストつきでわかりやすい | 〇約15分 | 〇 | - |
※1 価格は2023年2月28日現在のAmazonの価格を参考にしています。品不足などにより価格が変動することがありますのでその点をご承知おきください。